【新歓ブログ4】 ディベートオタクが語るディベートの楽しさ

新歓ブログ企画も折り返し!今回は一橋大学3回生の小林遼生さんにディベートの楽しさについて書いてもらいました。遼生さんは、6週連続大会というスケジュールも平気でこなしちゃうほどディベートにのめりこんでいる国内外問わず活躍する関西ディベーターです。

 


 

こんにちは、一橋大学3年の小林遼生です。
今回は京大ESS、そして関西ディベートコミュニティにこれから足を踏み入れようとしている方に向けての新歓企画のブログリレーに、ちさとからの依頼で文章を寄せることとなりました。自分が何番目に掲載される予定なのか分からないですが、おそらくトップバッターではないので、それ以前の方々とは違う視点で大学でのディベートについて少しお話できたらなと思います。


0. 自己紹介
東京都にある一橋大学という大学の国際部ディベートセクション(通称Hit-U : 「ひっちゅー」と読みます)というところに所属しています。大学からパーラメンタリーディベートを初めて、今年で3年目になります。
ところで、各大学のパーラメンタリーディベートの活動をしている団体をインステ(Institutionの略)と呼び、それぞれの大学にはインステの略称があります。一橋ならHit-U、東大はUTDS、慶應はKDS、、といった感じです。ちなみに関西はKyoto、Osakaなど、そのままの名前です。分かりやすくていいですね。



1. はじめに
もう既に他の方が書かれているかもしれませんが、ディベートってそもそも何だろう、と思っている方もいらっしゃるかもしれません。私たちがやっているのはParliamentary Debateという、議会を模した即興の英語ディベートです。競技性や戦略性が高く、勝敗がはっきり付くという点ではスポーツ的な要素が強いと思います。

おそらく、ディベート部に入ってみようかなと思っている方の中には、「英語ができるようになりたい」「将来何かに役立つかも」「就職に有利になりそう」と考えている方がそれなりにいるのかなと思います。
そのような素敵な動機を持っていることは素晴らしいのですが、この一連のブログに目を通してくださっている方にはもう一つの視点として、ディベート自体のおもしろさや、コミュニティの楽しさについて知ってもらいたいです。そして、私は関西というコミュニティが、それらをたくさん教えてくれる場所であることを知っています。なので一度、皆さんは新生活特有の高尚なモチベーションを忘れてもらって、続きを読んでもらえると嬉しいです。


2. ディベートの何がおもしろい?
ディベートにはいろいろな魅力があります。他の方のブログにもディベートの魅力が少なからず書かれているかと思いますので、自分の回でもそうしたいと思います。

 

①勝負がたのしい
何といっても、ディベートをしていて一番ワクワクする瞬間は試合中、特に大会だと思っています。勝負に熱中している時にしか出せない集中力や、その場のヒリついた空気感など、ガチな勝負の場でしか味わえないものがたくさんあります。
ディベートでの勝負が特におもしろい理由は、その一回的な特徴にあると思います。決められた準備時間の間に考えたこと、たまたま思いついたこと、偶然昨日調べたことなど、その時の自分が持っているもの全てが一つのスピーチになります。スピーチ中でも、その場で思いついた言い回し、喋り方、相手への応答など、ランダムな要素がたくさんあります。そのため、たとえ同じ論題だったとしても、全く同じスピーチや、全く同じ試合になることは無いです。当然、「正解のスピーチ」もありません。そういった意味では、ゲームのはずなのに、何が起きるか分からなくて、ましてや自分に何ができるのかもギリギリまで分からないということです。ですから、毎回の試合で予想外の何かが起きたり、勝ったり負けたりするたびに新しい発見や反省があります。

 

②スピーチがたのしい
いろいろなランダムな要因がうまく組み合わさって、たまにすごく良いスピーチができることがあります。すごいかっこいいスピーチになったとき、強い議論がつくれたとき、良い反論が思いついたとき、その瞬間が脳裏に焼き付いて、またあのスピーチがしたい!と思ってたくさん練習したり試合したりするのですが、実際はなかなか上手くいきません。どうすればあの時みたいに上手くいくのかな、といろいろ試行錯誤する過程はとても楽しいです。


3. ディベートを”続ける”こと、関西でディベートをすること
散々勝ち負けの話をしましたが、実のところ自分がそこそこ勝てるようになったのはディベートを始めてから1年経った頃以降のことです。それまでは今以上にたくさん負けて、酷いスピーカースコア(スピーチに付く点数のこと)をたくさん食らっていました(今もまだスコアはそれほど伸びていないけど)。自分は大学からディベートを始めた人間なので、高校の頃からディベート部に入ってほぼ毎日練習して、大会に出ていたような人たちと比べると決定的に経験が不足していました。まあ、こんなこと言ってはなんですが、勝てません。


勝てないとつまらなくて、つまらないと練習しなくて、練習しないと勝てないので、負の連鎖ですよね。おそらく、多くの初心者が挫折を早くから味わうはずです。しかし、それでもまだディベートを続ける人たちがいて、そういう人たちがディベート自体の楽しさに徐々に目覚めていきます。

 

この、「続ける」ことがとても難しいのですが、続けるモチベーションになるもののうちの1つで、チームメイト・周りのコミュニティとの関わりがあります。この人と組む大会が楽しいから続けたい、大会後の飲み会が楽しいから続けたい、などなど、いろいろあると思います。その点で、関西というコミュニティは非常に強いです。自分から見ると、関西の強みは何といっても「人」だと思います(誰かの受け売り)。みなさんがディベートをひとまず「続ける」ために必要なものがたくさん揃っています。面倒見の良い先輩やOB、個性あふれる同期、おいしいご飯とお酒、きれいな街、、、それらに囲まれているうちに、気が付いたらディベートを続けているはずです。そうなったらあとは、みんなで練習して、議論して、試行錯誤して、大会に出て、たくさん勝てるようになるだけです!

 

ディベートの楽しさは勝敗にあると個人的には思いますが、勝敗に至るまでの全ての過程も、またその魅力の一つです。そして関西でディベートを始め、続けることはその魅力を最大限高めてくれます。これから何をしようか迷っている方、ディベートを続けようか迷っている方、ぜひ、深い深いディベート沼へ。

関西コミュニティ

 


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