【WUDC2019を終えて】

今回はWUDC2019において、惜しくもブレイク落ちしつつも、13点を獲得した大活躍した中村周(woody)さんに寄稿文を書いていただきました!ご覧下さい!

 

 

 

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こんにちは、京都大学3回生のうっでぃです。

今回は、同期のもるもると一緒にWUDC 2020 Thailandに行ってきたのでそれについて書きます。
このブログを呼んでいる人は知っている人が大半だと思いますが、WUDC(ワールズ)は年末〜年始にかけてディベート世界最強を決める大会です。したがって紅白歌合戦も年越しそばもおせちも諦めなければなりません。つらすぎる。これらをかなぐり捨てることのできるディベキチにしか参加を許されない大会、それがワールズ。

 

[12/27]
朝5時に起きて出町柳でもるもると合流。ちょっとお値段が張りますが関空からの直行便でタイ・ドンムアン空港に昼過ぎに着弾しました。

タクシー取らないといけないのかな〜ってもるもると心配してたのですが、空港から大会提供のシャトルバスが出てたのでそれで大会のあるアサンプション大学まで行きました。聞いた感じだと、自分たち以外の日本勢は、僕らより1日早く出た人が多くて、そのためシャトルバスがなくてタクシーだった人もいたみたいです。われわれ工学部組は前日にサボり不可の実験があったので、ぎりぎりの到着になりましたが、バスがあったのでやや結果オーライだったかもしれませんね。そして12/29に着でもトーナメントには間に合うそうなので、直行便を取る必要もよく考えたらなかったかも。

その日の晩は、関西+九州勢で合同プレパ練をして寝ました。


[12/28]

朝からブリーフィングがあるので、遅くとも朝7時過ぎには起きなければいけないという大学生にはつらすぎるスケジュール。前日早めに寝たはずですが、緊張で眠りが浅かったらしく寝ぶっちしました。すみません。

会場へのバスももう出ていないので歩いて移動し、昼ごはんを食べて、昼からはディベートレクチャーを聞きました。来年のAC含むすごいメンツが教えてくれたんですが、教えてくれる内容は「エクステンションは明白に複数個だそう」とか割と基本的なことでした。まあ基本を忘れないのが大事ですからね。

あと、ホテルにプールがあったのでこの日の晩を含め何度かみんなで泳ぎました。うぇーい。

 

[12/29]
いよいよ大会スタートです。ラウンドの感想書いていきます。

R1 OO 4th
Motion:あらゆるメディアに偏向報道やめさせる

最初のラウンドなので、完全にランダムにあたったわけですが、周りのレベルが高すぎて圧倒されました。無念。
そういえばCGにOpen Grand Finalistがいたらしいです。すげー。

このラウンドでは自分が1stやっていたのですが、あまりうまく行かなかったので、次からは自分が2nd/3rdやることにしました。自分は反論するのが割と好きだし、もるもるは邪魔されずにきっちり立てるのが好きなので、このポジショニングはどちらにも向いていたと思います。

R2 CO 2nd
Motion: 自由貿易の広まりをsupport

OOが「完全保護貿易しか悪しきMNCから発展途上国を守るすべはない」って話をしていて、OGから「いや経済はよ発展させんと人死ぬじゃん」って突かれてたので、「いや普通に関税を選択的にかければ良いのでは?原材料買い叩くのはNGだけど工場とか作るならOKよ、みたいな」って話をしました。
ただ、ClosingなのにOGのメカニズムを潰すだけの十分なレスポンスがなかったので2位でした。もっとMNCのキャラとかを話して詰めればよかったです。無念。

後、このラウンドのチェア、レクチャーで見たなーと思ってたら来年のワールズ(Korea 2021)のACらしいです。すごい。

R3 CG 4th
Motion: 宗教を叩き込まれた子供は親を起訴していい

OGが強くて、プレパしてたことを全部言われてしまいました。頑張って「起訴されることで公的な場で問題を解決する機会が得られる」って話をしてみたのですが、OOがすでにユニークネスないって話をしてたのでContributionが無になりました。焦りすぎて聞き逃してました、反省。

その晩は、Cultural Nightという、自国の伝統衣装を着て参加するパーティーがあったらしいですが、日本を出発時にはその存在を知らなくて着物とか持ってきてなかったので行くのやめときました。まあそもそも着物とか持ってないんですが。というか別に伝統衣装じゃなくても全然参加していい感じだったらしいですが。

 

[12/30]
前日の結果が散々だったのでちょっと焦りはしたものの、流石にここまで負ければあんま強いとこ出てこんやろ、って話ししてました。

R4 OG 1st
Motion: オリンピックを廃止する

国際大会になると、色んな所の利権が絡んでくるから、ドーピングする圧力がかかったり、ほかにも選手への負担が大きくなっちゃうよねって話を立てました。OOが「弱小国家がempowerされたりuniteできるきっかけになる」って話をしてきたので、その分析を利用する感じにしました。あとオリンピック憲章的に選手の健全な能力発揮が一番なんじゃないの?ってプリンシプルっぽい話をしました。このへんは、1ヶ月くらい前に全くおなじモーションをプレパ練してて軽く調べといたのが功を奏しました。

R5 CO 2nd
Motion: メキシコの麻薬カルテルがやばいので、一つのカルテルだけをめっちゃ優遇して麻薬市場を支配してもらう

OGが「カルテルが一つになれば警察が捜査しやすくなるので活かすも殺すも自在」みたいな話をしてたので、いやカルテルも馬鹿じゃないしそんなにうまく行くか?いろいろ撹乱してくるやろ、ってダウトを投げました。うまく行かなそうなことが示せたのですが、あくまでもう一つの側面を提示しただけで、OGの「うまく行く世界」を否定し切るだけのメカニズムがなかったので2位らしいです。なるほど。

R6 OG 3rd
Motion: Moralのある行動(ゴミとかボランティアとか寄付とか)をすると社会的に優遇されるようにする。逆も然り

ゴミのポイ捨てとかって、誤差レベルだけどその習慣が全体として社会に害を与えてるよね、たばこ税とか飲酒運転のSin taxの延長として導入して良いんじゃないの、って話をしました。
でもContextがLiberal democracy(だとモーションに書いてある)ので、これとの関連性がうまく見えなくて難しかったです。後、Moralのある行動を行う余裕がない弱者が虐げられるやんってOOに言われてたのですが、反論しきれなかったようです。無念。

ちょっと話がそれますが、「キノの旅」という短編集小説があります。主人公が色んな国を旅する話なのですが、そのなかにある「徳を積む国」という話がこのMotionにちょっと似てるんですよね。徳のある行動を重ねれば犯罪すらキャンセルされるという国の話で、しんみりとした読後感がすごく好きなのでぜひ読んでみてください。小説12巻に収録されています。もしくはアマプラで見れる2017年版アニメ9話で見れます。

というわけで、予想通り(?)、2日目は1日目に沈んだ分やや浮上することができました。この時点で8点です。

この日の夜はGender Inclusion Nightという会があって、何が行われるのかおっかなびっくり行ってみたら、ただの野外パーティーでした。このへんで察するのですが、毎晩やっている"Gender Inclusion Night"とか"Cultural Night"とかって、名前は半分名目的なもので、普通に晩ご飯を提供する会みたいですね。タダ飯がたべられるのでこれ以降は割と積極的に参加しました。

 

[12/31]
最終日なので、3ラウンド全部がサイレントです。ブレイクナイトまで点数はわかりません。ドキドキですね。

R7 CG 1st
Motion: ASEANASEAN Wayをやめるべき

ASEAN Wayってのは、加盟国の主権・多様性を重視するASEANのやり方で、加盟国の問題に介入しないことや、満場一致しないと決定を下さないという慎重な行動方針です(Info Slideを読みながら)。

ここまで、幸運なことに日本勢と当たることがなかったのですが、かんたさん・ちゃんすさんのナショチャンKobeチームがOGにいました。つらみを感じながらディベートスタート。

OGの立論に抜け目はないだろうから、反論とプリンシプルとかでエクステンション出せないかな〜ってプレパで話してました。
OOが「政治体制が多様だから、介入されたら嫌だからみんなbacklashして脱退する」「結束が高まったら、脅威とみなされて大国に潰される」みたいな話をしてたので、
「経済的な介入が主なのに主権が脅かされることって実際なくない?」「むしろ一部の変な国がvetoするせいでなかなか経済状況が改善しないSQのほうがbacklash起きるのでは?」「というか大国側もSQだとたった1つの国にbribeしまくればASEANをハイジャックできるわけだしこっちのほうが遥かにpotentially危険じゃない?」みたいな感じで反論をたくさん投げてみました。
後、普通に人権侵害起きてて、ASEANしか苦しんでる人々を助けられないのにそれをやらないのってUnjustじゃない?ってプリンシプルも投げました。

プレパでやりたいねって言ったことがきちんとできたので良かったと思います。Gov勝ちやろーなって思ってたんですけどOGは3位でした。なぜだ???

大国によるハイジャックの例で中国がフィリピンに接近してる〜みたいな例をあげたんですが、試合後、かんたさんにASEANの中ではフィリピンは別に親中ではないと教えてもらいました。無知。

R8 OO 2nd
Motion: Feminist Movementとして、「あらゆる体は美しい」ではなく「美しさは関係ない」という言説をsupportする

OGに負けてました。リフレをもらえてないのであんまわかんないのですが、OGの立論に対する反論が弱かったのかな〜って思います。

R9 OO 4th
Motion: 学年じゃなくて能力でクラスを分ける

おなじ同級生と長く学ぶことで、精神的成長が得られるよ〜みたいな話をしたのですが、OGから学校への寄付金とか全く予期しない話が出てきて???ってなりました。自分らの話自体はしっかり立てきったからまあそんなに悪い準位じゃないやろって思ってたのですが、結果はご覧の通りだったみたいです。無念。

その後はブレイクナイトに行きました。いつものごとく美味しいご飯とお酒が振る舞われます。ジャパニーズスシとタピオカドリンクは日本勢含めどこの国の人にも大好評でしたね。後、各人に「500mlビール引換券」が2つ配布される仕組み、Binge Drinkしないように工夫されててかしこいな〜ってなりました。全体に大会運営がめちゃくちゃ上手くてスムーズだったのが記憶に残っています。

ブレイク発表ですが、(発表後に蓋を開けてみると)合計13点だったのでEFLブレイク基準にちょっと届かない程度でしたね。無念。
QUとICUから1チームずつブレイクしててすげーなーってなりました。

 

[1/1]
まさおさんに誘われてみんなでバンコク観光に行ってました。もるもるは風邪ひいててお留守番です。

帰りはトゥクトゥクを利用しました。ドアがないし後部座席に4人乗りだし時速60キロ位飛ばすし、割と人生で一番生命の保証が危うい体験をしました。でも40キロ位乗ってひとり1000円と激安だったし、割と楽しかったのでアドです。

そのあと、ホテルでKorean Night Partyがありました。来年の2021の舞台は韓国なのでその宣伝ですね。自分は韓国好きなのでめちゃくちゃエンジョイしました。

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これ以降は決勝とかなので省きます。

総評ですが、参加費・渡航費などで結構お金かかるものの(行きは直行便だったのでかなりかかりました)、大会のレベルは高いし、美味しいご飯がたくさん食べられるしでとても楽しかったです。はじめての海外大会ですがいい経験になりました。来年は韓国らしいのでこれも行きたいですね!
恐れていた海外ジャッジの評価基準の違いとかもあまり問題はなく、めちゃくちゃ喋っているチーム相手でもきちんと論理的に重要なところを突けば評価してもらえたのでやったね〜って感じです。ただn=1ですし、阪大とかはジャッジングで悲しい感じになったらしいのでまあ人によるんだろうなあという感じです。
最後になりましたが、パートナーを組んでくれたもるもるに感謝です。とっても楽しかったので、他の大会で機会があったらまた組もうね〜

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